マヨネーズ戦線

店舗調査

昨日、コンビニおけるPB商品の増加について投稿しました。

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セブンイレブンを見た考察でしたが、他の店舗ではどうなっているのか、マヨネーズ探偵気分で調査してきました。

調査結果

東京の中野~高円寺駅周辺の価格で、他地域では、価格が異なっているかもしれません。

また、コストコは近くに店舗がないため、ネット検索結果になります。

最高値は、ファミマのキューピー350g入り、100gあたり81円。

最安値は、業務スーパーのPB商品、1kg入り、100gあたり28円と約3倍の価格差がありました。

同じキューピーブランドでも、ファミマの100gあたり81円からドンキの100gあたり40円まで2倍の価格差がありました。

考察

コンビニを比較すると、セブンのPB商品の安さが目につきます。

一方、ファミマはPBマヨネーズを展開していない。

系列スーパーのイトーヨーカドーと、同価格でPBマヨネーズを販売するセブンイレブンに、PB商品を強く推し進めようという意思を感じました。

「セブンでPBを買えば、スーパーと同等に安いですよ」、というメッセージは強力だなと思いました。

最大の興味は、ブランドがどこまで価格を維持できるか、という点です。

Happy Investing!!

 

 

日経新聞社長100人アンケートに見る市場心理

たった一つの情報に基づいて投資をするとしたら

OaktreeのHoward Marksさんについて、これまでも紹介してきました。

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Howard Marksさんは、もしたった一つの情報に基づいて投資するとしたら、「市場心理を知りたい」と述べています。

資産価格は、資産が生み出すキャッシュフローなどの本質価値と、市場心理によって決まります。

本質価値は短期的には大きく変動しないことが多いので、市場心理が弱気のときに投資できれば、市場心理の回復によって稼げる確率が高まります。

日経新聞に見る、市場心理

3月27日の日経新聞朝刊の一面に、以下の図表がのっていました。

半年後の世界景気見通しを社長100人にアンケート調査したそうです。

注目したいのは、2018年初頭に、半年後に景気悪化すると考えていた経営者がいなかったことです。

半年後のことは、誰にも分りません。

未来が不確実である以上、半年後の景気悪化確率がゼロと予想するいうのは、間違っている可能性が高そうです。

2018年初頭の市場心理は、完全に楽観に振り切っていたんだな、と再確認しました。

Howard Marksさんの言葉を借りれば、社長100人レポートで景気悪化予想がゼロになったときに売り、逆に景気拡大予想がゼロになったときに買うというのは、良い投資戦略になりそうです。

日経新聞に出る身近な調査でも、市場心理は測れるものだと思った次第です。

Happy Investing!!

ウォンテッドリー(3991)の本質価値を考えた

ウォンテッドリー(3991)の説明会に参加しました

ウォンテッドリーは、人材採用プラットフォームを提供している会社です。

一般的な転職サイトと違い、会社のビジョンや従業員の声を前面に押し出すことができます。

給与や勤務時間などの「条件」をベースにした採用ではなく、「共感」をベースにした採用を目指しているようです。

成功報酬ではなく、月額課金制を取っており、ストック売上が積みあがる事業モデルになっています。

本質価値を考えた

チャート画像

ウォンテッドリーの時価総額は400億円以上。

2019年8月期の会社予想利益が約2億円なので、PERはざっと200倍です。

PER200倍とだけ聞くと、高いように思いますが、どうなのでしょうか?

2018年8月の売上は22億円でした。

50%成長を続けることができたとして、2019年に33億、2020年に50億、2021年8月に75億円の売上です。

利益率ですが、2019年8月期第1四半期決算説明会資料の9ページ目に、広告宣伝費を除く営業利益率推移が載っています。

今後、ウォンテッドリーが広告なしで成長できたとして、営業利益率40%とします。

75億 x 40% x (1-税率30%)=2021年の利益は21億です。

PER20倍として420億、ちょうど今の時価総額と同じくらいです。

PER20倍が低すぎると感じるかもしれませんが、私は売却時のPERが高いことを期待して投資することはありません。

私の考えでは、現在の株価には、広告投資なしで年率50%成長が続くという、かなり楽観的な状況が織り込まれているように思います。

本質価値分析は、まずはざっくりとやることをお薦めします。

楽観的なシナリオで計算した本質価値に対しても現在の株価が安く見えないときは、投資を見送っていいのではないでしょうか。

ウォンテッドリー社のますますの活躍を祈念しています。

Happy Investing!!

価格競争にご用心

1年で70%下落したダイヤモンドワイヤの価格幅にビックリ

昨日、中村超硬(6166)がMSワラント(行使価額修正条項付き新株予約権)の発行を発表しました(リンク)。前回の投稿で、最近多発しているMSワラント発行の問題点を書きました。「またか」という気持ちで発表資料(リンク)を読んで驚きました。珍しく、社長による動画説明もありましたので、ご参考まで。

中村超硬はダイヤモンドワイヤのメーカーです。主に太陽光パネルのシリコン切断に使われているそうで、一見ニッチ分野で競争力のある企業のように感じます。

中村超硬の説明資料によると、ダイヤモンドワイヤの価格が、2018年に入ってからなんと70%も下がっているそうです。太陽光発電メーカーが増えて生産調整が始まった上に、世界トップ市場である中国政府による補助金打ち切りにより、火に油を注ぐ事業環境となっているそうです。市場参加者の感情で動く株価が1年に70%動くことはよくある話ですが、実際の商品価格が1年で70%下がるとは、なかなかお目にかかれません。

予見できなかったのか?

中村超硬は、2017年に個人投資家の間で人気の小型株だったようです。太陽光、収益拡大というテーマ性が魅力的だったのか、2017年に株価は1000円から7000円へ7倍。2018年は逆に、7000円から800円へ。ジェットコースターのような株価です。

過去の事業実績を見ると、赤字が頻発しています。2018年3月期のみ切り出すと、売上が前年比2.4倍と気持ちのよい業績ですが、なぜ赤字になったのかをよく調べた方がいいです。

2017年3月期の有価証券報告書(リンク)によれば、販売単価交渉に失敗して取引量が減ったことで減収、赤字につながったことが分かります。

2018年3月期の有価証券報告書(リンク)には、2018年2月後半から市場が急変して販売単価が大幅に下落していること、リスクも明記してあります。

5年後を見通せるか?

後出しジャンケンという批判はあるでしょうが、以上を見てくると、中村超硬の事業リスクは明らかだったのではないでしょうか?事業を分析するとき、5年後の姿を見通せるかと自問自答すると良いと思います。中村超硬の場合は、過去の事業実績を一目見ただけで難しいことが分かります。とてつもなく儲かってるかもしれないし、赤字が5年間続く可能性すらあります。

爆弾を保有しないように、少なくとも、不況期間を含む過去10年の事業実績+有価証券報告書のリスク注記には目を通した方がいいのではないでしょうか?もっとも、私も今年は基本作業を怠った銘柄で、被弾してしまいましたが・・・。お互い、気を付けましょう!

Happy Investing!!

APAグループに学ぶ

APAグループは、ホテルチェーン3強の一角

私が尊敬している個人投資家の一人、角山さんのブログに、APAグループ元谷社長の対談が取り上げられていました。APAグループは、日本最大のホテルチェーンとして、2020年までに提携ホテルを含めて10万室の稼働を目指しているそうです(中期5か年計画)。国内宿泊市場規模は、ホテル(87万室)と旅館(69万室)を合わせた約160万室(参照リンク)ということで、全国で6%シェアを目指すという計画です。競合としては、東横インやルートインが2016年時点でそれぞれ約5万室、約4万室となっていて、3強。APAグループがダントツ#1という訳ではなさそうだ(参照リンク)。

各社HPの情報をまとめたものが、下図。

成功例から学ぶ

APAグループのような成功事例を見つけたときは、まず素直に他人の成功を喜び、その理由を学べるようになりたいです。成功事例に共通する要素を抽出することで、将来の成功事例を見つける選球眼を養いたいです。

今回読んだ、参考記事リンク
社長が語る企業物語
ダイヤモンドオンライン 2015年12月
CEO社長情報
プレジデントオンライン 2013年9月

ポイント1:事業の根幹である資金の流れを把握すること

元谷さんは、金融の実態を知るには金融機関に勤めることが一番と考え、地元の信用金庫に入社します。例えば、NIKEを創業したPhil Knightや、Fiatを立て直したSergio Marchionneは、会計士資格を持ち、実務経験もあります。もし創業者に会計知識がない場合は、本田宗一郎と藤沢武夫のように、弱みを補う体制づくりが必要だと思っています。

ポイント2:市場規模が成長余地を決める

元谷さんは、「市場規模でいえば頑張っても一定の需要しかないもの、例えば10億円、100億円の規模であれば、最大でもそこまでしか伸ばせない」と気付きます。より大きな市場規模を求めて、住宅産業で創業したそうです。大きく成長する企業に投資したい場合は、市場規模が大切になります。

ポイント3:戦略論の重要性

元谷さんは、戦略論に興味があり、孫氏の兵法、マキャベリ、ランチェスター戦略を研究して自らの経営に生かしているそうです。成功している企業で、ランチェスター戦略に言及している成功事例は、ソフトバンク、日本電産、SMCなど枚挙にいとまがありません。ランチェスター戦略によれば、業界1位以外は、全て弱者です。投資先企業が、ポジションに合わせた戦略を選択できているかどうかは、重要です。

ポイント4:節税の大切さ

元谷さんは、節税の重要性について徹底的に語っています。その一方、対談の最後には、「適正利益を上げて納税義務を果たす」とも述べていて、少し話しが食い違っているように感じました。

建売銃額の利益を相殺するために償却が大きい賃貸住宅へ。さらに分譲マンションの譲渡益を節税するために償却がさらに大きい自社ホテル経営へ進出したそうです(ベッドや冷蔵庫、テレビなど20万円以下の備品を一括償却できるので、節税効果が大きい)。不動産市況が割高で再投資できないとみるや、航空機リースを利用して節税を行ってきたそうです。節税は、不動産のように資金力勝負になる産業の場合は、特に重要になると感じました。一方で、資金需要の少ないITやコンサルのような業種は節税方法が限られます。この場合は、無理な節税によって多角化につながるデメリットの方が大きいのかもしれません。

ポイント5:オーナー企業の強さ

元谷さん、バブル期を前に、土地価格が収益還元法に基づく価値の4-5倍という異常な高値であることに気付きます。1988年、1989年と全ての不動産を処分し、東京本社も引き払って創業の地金沢に撤退したそうです。このような極端な行動は、オーナー企業でなければ、まず出来ません。普通の企業であれば、社内反対派の説得に消耗しているうちに、不動産価格の下落が始まっていたことでしょう。逆に2010年からは都心の一等地をキャッシュで買いまくり、東京でトップホテルチェーンの礎を気付きました。フルブレーキからフルアクセルへ。極端にみえる行動の結果として、APAグループは創業から一度もリストラをしていないということで、素晴らしい実績です。ビジネスにおいては、結局は実績が全てです。上場企業でも、経営者が株式を大量保有しているか否かは、一つの参考指標になるのではないでしょうか。

(注記)行動力が強みのオーナー企業ですが、そもそも行動が間違っていた場合は、一般企業よりもダメージが大きくなる可能性もあります。例えば、ルートインの創業者、永山さんの対談には、「リーマンショックで大失敗した」というコメントがありました(参考リンク)。

まとめ

業界は違えど、勝ちパターンには共通点があると思います。多くの成功事例に触れることで、より将来の成功事例を見極められるようになりたいです。

Happy Investing!!

10倍株の研究

四季報が発売されました!

12月15日に、新しい四季報が発売されました。個別株投資に興味ある方には、四季報の通読をおススメします。株価が高くなってしまったため、割安な銘柄探しに難儀していますが、年に4回の4000本ノックだと思って今回も取り組みたいと思います。

リンク】四季報通読のすゝめ(2016年12月16日)
リンク】四季報を通読しました(2017年3月20日)

10倍株の研究

今回の四季報の冒頭に、営業利益・時価総額が10年間で10倍になった銘柄リストがのっていました。10年で10倍とは、年率26%複利リターンです。私は将来の10倍株を見つけたいので、過去の10倍株から何かヒントを得られないかと調べてみました。

日経平均を10年間保有した場合

まず、日経平均を10年間保有した場合、約17000円が約23000円に増えました。これは、年率換算で約3%の複利リターンです。

日経平均(出典:Kabutan.jp)

複利効果

年率3%や10%、20%と聞いても、1年ではたいした差が生まれないために軽視してしまいがちです。しかし、年月を積み重ねるとその差は膨大になります。年率10%で10年運用できれば、元本は2.5倍に増えます。20%であれば6.2倍、26%であれば10倍になるのです。ちなみに年率3%では、1.35倍に増えただけです。

複利効果のグラフ

10倍株にみる2つの特徴

特徴① 銘柄コード

日本の上場企業には、1000から9999まで銘柄コードが付与されています。10倍株が生まれる場所には、どうやら偏りがあるようです。

10倍株の銘柄コード(出典:四季報)

上図にあるように、過去10年間の10倍株の多くが、2000番台と3000番台から生まれています。逆に5000番台からはありません。
ご参考までに、銘柄コードの分類を添付しました。

(出典:Wikipedia)

特徴② 時価総額

10倍株の購入時の価格を調べてみると、その半分が100億以下になっています。また、10倍株のうち80%が時価総額200億以下です。この数字は、個人投資家にとっては非常に心強いです。なぜなら、多くの機関投資家にとって時価総額200億円は手が出せない領域だからです。

10倍株10年前の時価総額(出典:四季報リストより、Nagatomo Investments算出)

まとめ

マクロでは低成長の続く日本ですが、過去10年で約50社の10倍株がありました。存在確率としては、上場4000社のうち約1/100。その多くは、銘柄コード2000~3000番台の超小型株(時価総額200億円以下)に隠れているようです。そんな観点で、四季報を通読してはいかがでしょうか?

10倍株候補を見つけましたら、是非ともNagatomo Investmentsまでご連絡ください。みなさんの情報をお待ちしています。

Happy Investing!!

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CFAリサーチチャレンジで再認識するシンプルであることの難しさ

CFAリサーチチャレンジとは

CFAリサーチチャレンジとは、CFA協会が主催する大学生・大学院生向けの企業分析コンクールです。3~5名のチームで参加するのですが、日本大会の優勝チームはアジア大会へ、そのまた優勝チームは世界大会へと駒を進めることができる、非常にグローバルな取り組みです。今年の日本大会を例に取りますと、約20チームが参加しています。分析対象企業はヤマハ長期業績レポートはこちら)で、各チームとも10ページほどの企業価値分析レポートを提出します。レポートの評価が高かった4チームが決勝のプレゼンテーションに進むという流れです。

このコンクールの特徴は、機関投資家の実務と同じ環境が用意されているということです。ヤマハからの事業説明会には、中田社長自らが1時間の説明、2時間の質疑応答に臨まれて驚きました。内容も、アナリスト向け説明会と遜色ないものです。多忙なスケジュールから金融業界の底上げに時間を割いて頂き、本当に有り難いことです。大企業の社長と3時間も対話するなどあまりに贅沢すぎて、どれほど恵まれているのか学生の方々は分かっているのかなと思ってしまいました。ヤマハ側としても採用やPR効果も期待できるのでしょうが、学生の方々へのチャンスは確実に増えていると感じます。もう一つの特徴は、各チームにメンターとして配属されていることです。最大6時間まで、メンターに質問をすることができます。メンターの中で、私のような個人投資家は異例でして、他の方は機関投資家の要職にある方ばかりです。学生時代に金融プロフェッショナルと直に作業ができるということは、なかなか経験できないのではないでしょうか。メンター側である私も、作業後に学生や教授と食事に行くなど世界が広がり、楽しませて頂いてます。

企業分析はシンプルだから難しい

Warren Buffettは投資について、「シンプルだ。だからと言って、簡単とは限らない」と語っています。バリュー投資でやることは、企業の本質価値より割安で買って、本質価値に戻るまで辛抱強く待つ、ということだけです。極めてシンプルです。実際、私が売買をした日数は、市場が開いている日数の1/5もないと思います。ほとんどの日は、ただ待っているのです。しかし、シンプルであることは分かっていながら、ほとんどの投資家はベンチマークを超えるリターンを出すことができないのが現実です。

学生の企業分析を見ていると、私自身がCapital Groupでアナリストを始めたときのことを思い出して懐かしくなります。将来業績予想のために全ての数字が大切に思えてしまうのです。売上や原価はもちろん、従業員数、広告宣伝費、旅費交通費などなど、予想できる項目には際限がありません。まるで数字のジャングルを彷徨ううちに、方向を見失ってしまうのかもしれません。実際に自分で情報に触れて数字をいじって悩んだ先に、ようやくシンプルさに到達できるように思います。たくさん迷うことは、シンプルさに到達するために必要なステップだと思います。苦労してつかみ取ったシンプルさがあるからこそ、市場価格の変動にも自信をもって株式を保有し続けることができるように思います。少なくとも、自分の経験ではそうでした。Capital Groupの場合、セクターの立ち上げにほぼ1年間の猶予がありました。よくもまあ、給料を払って長い間迷わせてくれたものだと思いますが、1人で悩み考える時間がたっぷりあったからこそ、投資家として成長できたのだと思います。その機会をくれたCapital Groupにはとても感謝しています。

ほとんどの投資家は、数字のジャングルで迷う経験をしていないのではないでしょうか。雑誌や掲示板など、他人の意見を参考にすることはとても大切です。何でも自分でやろうとする私には足りない資質です。しかし、他人の意見を検証することなく採用してしまうと、市場価格が下がったときに保有し続ける自信が持てるでしょうか。買い推奨していた人たちも、株価が下がってくると声が小さくなってしまうのがよくあるパターンです。投資では、企業の本質価値以外に助けてくれるものはありません。

一番大切なことを見極める

企業の本質を見抜く上で、社長が自分と自分の会社を診断する本―誰も言ってくれない自分と会社の盲点と欠点を探るという本がお薦めです。最初の項目は、『あなたの会社の存続と成長を保証してくれる最も重要なものは何か』の質問に、あなたはハッキリと確信をもって答えられるか、です。投資家(株主)にとっても、投資先企業は「あなたの会社」ですから、この質問が一番大切だと思います。

会社や事業にとって本当に重要なポイントは多くても2,3しかありません。そのポイントを外すと、人件費や宣伝費や他のポイントを正しく予想できたとしても、正しい企業価値を算出することはできません。数字のジャングルを見通すことは難しいですが、自分の見通しが正しく、また結果として株価が上昇したときの嬉しさは格別です。その感覚を何度でも味わいたくて、今日も四季報をめくります。

Happy Investing!!

買い物リストのすゝめ

買物リストのすゝめ

2017年3集・夏号

私は次の手順で企業調査を行っています。

① 四季報を通読して、興味のある会社を書き出す。
② 書き出した会社につき、一社づつ調べていく。
③ 事業内容を理解でき、企業価値を算出できる企業について、買い物リストに載せる
④ 新しい四季報が発売されると、また①から繰り返す

9月15日(金)の四季報秋号の発売を前に、滑り込みセーフで夏号の①~③が完了しました。今回は、興味を持てた会社が約450社。そのうち228社が買い物リストに載りました。

Lauren Templetonのアドバイス

グローバル・バリュー投資の父ともいわれる、John Templetonの姪にあたるLauren Templetonさんが動画で買物リストの効用について語っています。市場暴落時には買い物リストを取り出し、買い向かうのだそうです。あらかじめ買い物リストを用意しておくことで、慌てることなく行動することができるそうです。私はまだまだ経験が足りず、買い物リストを用意して割安であることが分かっていても、「もっと安くなるかもしれない」などと欲を出して行動が遅れてしまいます。買い物がリストがなければ、もっと出遅れているのかもしれません。素直に行動できるようになりたいものです。

Eric Cinnamondのアドバイス

中小型株で絶対リターンを目指す投資を行っている方を取り上げたポッドキャストです。この中で、Ericさんも米国企業200~300社の買い物リストを常にアップデートしていると語っています。

買い物リストを見て思う事

時価総額

時価総額別に見てみると、以下のようになっていました。

私の買物リストには大企業から超小型企業まで万遍なく含まれているようです。一方、全上場企業3,725社に対しての買い物リスト掲載率は6%でした。時価総額1000億円以上の大企業に関しては全上場企業の10%という掲載率で安定していますが、小型株になると企業間のバラつきが大きく、掲載率が下がってしまうようです。

割高・割安

私が考える適正価格からの乖離幅ですが、割高な企業が約100社。割安な企業が約130社。私は、Benjamin GrahamやMohnish Pabraiに倣って大きな安全域を求めています。基本的に、適正価格の半額以下でしか購入しません。そのような投資チャンスは、現在7社くらいしかないように思います。

「せんみつ」とはよく言ったもので、1,000社に3社くらいしか投資に値する会社はないということです。これはという投資チャンスはなかなかないものですが、また淡々と四季報秋号に向き合っていきたいと思います。

Happy Investing!!

2017年4集・秋号

IRフェアのすゝめ

名証IRエキスポ2017に行ってきました

7月21、22日に、名証IRエキスポ2017が開催されました。私は7月22日(土)に行ってきました。旅費と時間を節約しようと夜行バスを利用した(3800円 vs 新幹線は金券ショップで11000円)のですが、名古屋は距離が近すぎて6時間も眠れない上、2回のサービスエリア休憩でも目が覚めてしまうので安眠の工夫が必要ですね。夜行バスには、4列シート、4列ゆったりシート、3列独立シートなど椅子の配置パターンがあります。今回はちょっとリッチな気分で4列ゆったりシートを選びましたが、やはり隣の人次第で眠りの質が変わります。次回は、安眠対策+3列独立シートしたいと思います。

そんなことより、IRエキスポの話でした。名古屋証券取引所には292社が上場していますが、そのうち95社もの企業がブースを出してくれていました。貴重な週末にありがとうございます。こうしたIRフェアは、社員の方々に直接話を聞くことのできる貴重な機会です。決算説明会や株主総会で登壇する社長や役員の方は、対外的に話をすることに慣れています。現実をよりよく見せる話術に長けていることが多いですし、社員を鼓舞するためには夢を語る能力は重要でしょう。しかし、投資家としての私は等身大の企業の姿を見たいと考えます。そのために一番良い方法は、会社訪問だと思います。例えば、みなさん他人の家に行くと感じる雰囲気があると思います。会社も同じようなもので、会社訪問を重ねると社風を肌で感じられるようになります。ただし、会社訪問は個人投資家の立場では難しいのが現状です(私が難しいと思い込んでいるだけかもしれません)。そこで、代案としてIRフェアをおすすめします。特に普段IRを担当していない社員の方は、よい意味で素朴に質問に答えてくれます。投資対象企業について、財務資料、経営者、社員、競合他社、サプライヤー、顧客、ニュース、書籍など、多面的な意見を集めることでより立体的な姿が浮かび上がってきます。何より、企業をより深く理解できたと感じるときは満足感があります。さらに、自分の理解が正しくその見通しに基づいて株式投資で稼げた時など、中毒的な嬉しさがあります。こうして株式投資ジャンキーになっていくのでしょう。

IRフェアに行ってみませんか

以下、1年を通した主なIRフェアです。是非、足を運んで投資対象企業の社員の方々に話を聞いてみてください。私にとっての株式投資は、株券という紙きれを売買するものではなく、株式会社という生き物を売買するものだと思っています。会社には、当たり前ですが生身の人間が働いています。どんな人が働いているのか?働いている人はどこに満足しているのか?どこに不満を感じているのか?興味を持つほどに会社のことが良く分かりますし、分かってくると楽しいですし、結果として運用成績も向上するのではないかと考えています。Happy Investing!!

2月 東証IRフェスタ

7月 名証IRエキスポ

8月 日経IRフェア

12月 野村IR資産運用フェア

四季報を通読しました

3月17日に四季報が発売されました

参考リンク】四季報通読のすゝめ

私は年に4回の四季報発売を心待ちにしています。四季報の一冊には、日本のすべての上場企業がまとまっています。日本株投資をしている私にとって、すべての選択肢を手元に置けることには安心感があります。泣いても笑っても選択肢はこの一冊の中にしかないと実感することで、余計なことを考えなくてすむように思います。

四季報通読を終了しました

3月19日はスタバやサイゼリヤに缶詰になり、四季報を通読しました。計8時間くらいかかったでしょうか。これまでは1000番台から読み始めて、9000番台に行く頃には疲れて適当に見てしまっていたので、今回は趣向を変えて逆に9000番台から始めてみました。終わったのは夜11時回っていたのですが、早く終わりたくて1000番台はちょっと適当に見てしまったことは否めません。

約4000社の中から、約300社を調査対象としてピックアップできました。次の四季報発売まで90日(実働60日)あるので、1日5社(300社 / 実働60日)の分析を続けていこうと思っています。

四季報通読の意味

私は、四季報通読が野球における素振りのようなものだと思っています。通読したからすぐに儲かるとは思いませんが、すべての選択肢に目を通すことで、①世の中には多様なビジネスモデルがあること、②バリュエーションには大きな振れ幅があること、などを実感できると思っています。多様な企業群を生み出してくれる資本主義に感謝するとともに、バリュー投資家として市場価格と企業価値の差違を探していく気持ちが新たになります。

私が大きな収益を上げてきた投資先は、ほぼ全て四季報から見つけてきました。1冊税込み2060円という価格で、大きな価値を頂いてきました。東洋経済新報社のみなさま、本当にありがとうございます!

Happy Investing!!