レバレッジにご用心。持株の88%(時価2000億円)を担保に入れる、ZOZO前澤さん

ZOZO前澤さん、2月に3回も大量保有報告書を提出


(出典:2018年3月期 有価証券報告書)

ZOZO創業者である前澤さん、ツイッター投稿、月面旅行、スポーツカー、絵画購入などなど、何かとニュースで名前を聞きます。

そんな前澤さん、2019年2月に入ってから3回も大量保有報告書を提出しています。

大量保有報告書は、上場企業株式の5%以上を保有する方々の保有状況に変化(増加、減少、担保設定)があった場合に報告が義務付けられています。(Wikipediaリンク

大量保有報告書は、EDINETという金融庁のシステムから確認することができます。

「前澤」で検索した結果は以下の通りです。

2月22日の大量保有報告書を見てみると、

変更報告書提出事由は、重要な契約の変更 であることが分かります。

どのような契約変更だったのでしょうか?

数ページ後に、以下のとおり、契約情報が載っています。

重要な契約とは、保有株式が担保に入ってますよ、ということです。

しかし、1つの大量保有報告書を見ただけでは、前回からどう内容が変わったのかは分かりません。

過去の大量保有報告書から見る、担保設定の推移

大量保有報告書を遡り、前澤さんの担保設定の推移を確認してみました。


(出典:大量保有報告書)

ZOZOの発行済み株式数は、約3.1億株 x 株価約2274円 = 時価総額 約7000億円です。

前澤さんは、発行済株式3.1億株のうち、1.1億株を保有する筆頭株主ですが、1.1億株のうち0.98億株、88%を担保提供しています。

3月6日の終値ベースで、0.984億株 x 2274円 = 2238億円 の担保価値があることになります。

借入総額は1500億円?

前澤さんは、2月に入ってから、3回も担保に入れる株式数を増やしています。

担保としているZOZO株価の2018年後半の下落で、担保積み増しを要求されていると推察します。

担保価値で1700億円を維持しようとしているようですが、一体、いくら借入しているのでしょうか?

上場株を担保としたローンでは、担保掛目は60~70%程度のようです(三田証券日本証券金融)。

最近の株価下落以前に担保設定を増やした(=借入金額を増やした)のは、2018年4月です。

このときの担保価値が2500億円 x 掛目60% = 借入金は1500億円 と予想できます。

1株1340円割れで、担保差し押さえ?改めて、レバレッジにご用心

仮に借入金総額が1500億円で、前澤さんの資産が保有株式しかないとします。

すると、1500億 / 1.12億円 = 1株1340円を割り込むと、担保差し押さえになるかもしれません。

もちろん、他の資産もお持ちでしょうから、そう単純な話にはならないと思います。

しかし、なぜこれほど大きな借入を行ってしまったのでしょうか。

最近のサンバイオ株で退場してしまった個人投資家の方々同様、改めてレバレッジの怖さを思い知りました。

サンバイオ株にみる、レバレッジの危険性

いくら前澤さんでも、市場や株価をコントロールすることはできません。

プレッシャーのかかる状況で、経営判断が鈍らないことを祈ります。

Happy Investing!!

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