日本電産とルネサスの危機対応から、疾風に勁草を知る。

疾風に勁草を知る

3月7日の日経新聞朝刊で、ルネサスエレクトロニクス(6723)が、車載向け半導体など工場を2か月停止すると報じられました。

それに対し、ルネサスは3月7日に「一時生産停止を検討している」とコメントしています。(コメントへのリンク

日経新聞の見出しからは、あたかも決定事実であるかのような印象を受けますが、観測記事であることも多いので、注意しましょう。

このニュースを読んで、「疾風に勁草を知る」ということわざを思い出しました。

疾風に勁草を知る

読み:しっぷうにけいそうをしる
意味:困難や試練に直面したときに、はじめてその人の意思の強さや節操の堅固さ、人間としての値打ちがわかることのたとえ。

(出典:故事ことわざ辞典

ルネサスの対応と、日本電産の対応

中国を筆頭に、世界的な景況感が悪化していることは周知の事実です。

受注環境の悪化をいくら嘆いても仕方なく、経営陣に求められるのは対応です。

名経営者と名高い、日本電産の永守さんは、1月17日に業績の下方修正+緊急記者会見を開きました。

「18年11月、12月は経験したことのない落ち込み」と述べ、さっそく全社コスト削減プランを開始しています。

「経営の方向性を変更しようという気持ちは全くない」、「ここでしゃがんでもう一度跳ぶ心構えだ。きょう現在で設備投資計画を見直すつもりはない」と危機には出来るだけ早く対応し、逆に強いバランスシートを活かして安値での買収を狙っていく、ピンチをチャンスに変えようという、非常に前向きな経営姿勢です。

それに対して、ルネサスの経営陣はどうでしょうか?

日本電産の会見から2か月遅れていますが、まだ生産停止すら決断できていません。

対応が後手に回るのではないかと不安になります。

私が大切な資金を託すのであれば、日本電産を選ぶかルネサスを選ぶか、明らかです。

ご参考までに、両社の長期株価を比べてみます。

ルネサス株価
 

日本電産株価

危機にこそ、真価が問われる  

景気が良いときは、どんな企業でも儲かります。

むしろ、固定費が高くてコスト構造が悪い企業ほど、オペレーティングレバレッジが効いて増益幅が大きくなります。

差が出るのは、不況の時です。

これは投資家にも当てはまります。

上げ相場の時は、どんな投資家でも儲かります。

下げ相場の時こそ、投資家の真価が問われます。

Happy Investing!!

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