フィリピンに行ってきます

1ヵ月@フィリピン

1ヵ月ほどフィリピンに行ってきます。個人的な目標として、毎年知らない国に家族で長期滞在して現地生活を垣間見たいと思っています。第1回目の2018年はフィリピンです。訪問を株式投資とも絡めたいので、どうしても英語圏外は開示資料が読めなくてハードル高いです。ベトナム株など興味あるのですが、会社HPを訪問すると、全く読めないのためにやる気がなくなります。当面は、新興国+英語圏+株式市場があるというのが選定軸になりそうです。

フィリピンには約270社が上場しているので、1日10社 x 27日で全企業に目を通すことが目標です。フィリピンは既に人口1億人以上ですが、中絶を許さないカトリック教徒が多いため、ピラミッド型の人口分布をしています(https://www.populationpyramid.net/ より)。

日本にいると人口減少が当たり前に感じてしまいますが、それは投資家として片手落ちになる危険性があると感じています。なぜなら、世界全体の人口分布はピラミッド型に近く、まだまだ人口増加過程にあるからです。人口が増えていく過程にある経済を実感することで、新興国へ展開する日本企業の成長ストーリーをより良く理解したいです。山梨という日本の地方に住んでいると、高齢化を肌で感じます。家の近くで道路工事している人ですら全員65歳以上で、一体10年後は誰が工事するんだろうと思ってしまいます(なぜか肉体負担の少ない交通誘導員は40代っぽい)。若者を見ると、「珍しい!」という感覚は世界的には異質なものです。

気が早いですが、2019年はアフリカ大陸に挑戦したいです。例えば、ナイジェリアの人口分布を見てください。指数関数的に子供が増えている状況など、日本に住んでいては全く想像できません。自分の中の体験の引出しを増やしたいです。

Happy Investing!!

善 vs 欲

福井コンピューター創業者の著書

福井コンピューターという会社をご存知だろうか?建築CADや測量CADの国内トップシェアメーカーである。建築基準法や消防法など、ややこしい日本の法律に完璧に対応することで、AutoCADなど全世界で通用するソフトを作る海外大手に対して競争優位性を維持している、国内ガラパゴスのガリバー企業だ。

そんな福井コンピューターを1979年の創業から率いた小林眞さんの著書を拝読した。

善か欲か

著書の中で、優秀な営業マンが他社に転職してしまった話が出てくる。給料が理由だったそうだ。驚いた小林さんは、「それなりに」できる平均的な営業マンには業界平均に負けない給与を払って来たつもりだった。しかし、「ずば抜けて」できる営業マンに、「ずば抜けた」給与を支払ってこなかったことに気が付いた。

「ずば抜けて」できる営業マンに「ずば抜けた」報酬という正当な評価を与えずとも、愛社精神によって会社のために精一杯頑張ってくれるだろうという善意に頼った経営をしていたことに気が付いた。賞与の上限を排除したところ、「できる」営業マンほどやる気になり、いきなり粗利が10%も増えたそうだ。それまでは、どうせ上限があるからと、無意識のうちに力をセーブして仕事をしてきたということだろう。

この話を聞いてどう思うだろうか?お金で動機付けることは汚いことなのだろうか?しかし、人には様々な欲がある。例えば、多くの給与を稼いでカッコいい車を買いたいという欲求を持つ人もいる。多くの給与を稼いで、家族に経済的に豊かな生活を提供したいという欲求を持つ人もいる。逆に、お金に関係なく、好きなことをしたいという欲求を持つ人もいる。

私は、給与に差をつけない経営は、一見フェアなようで、稼ぎたいという欲求を持つ人にとっては全くフェアではないと思う。人材の流動性が低く転職が難しかったひと昔前の日本では、そうした人材も仕方なく社内に留まっていたのだろうが、今は違うのではないか。少子高齢化で需要に対して恒常的に人材が不足する環境下では、転職のチャンスが増えるだろう。従業員の善意に頼っていた企業からは優秀な人材が流出し、長期的には人材の多様性が奪われると予想する。

多く給料をもらうためには、事業でそれ以上に稼ぐことが必要なはずだ。企業の成長=企業価値の増加、を願う株主の立場からすれば、みなさんドンドン稼いで、ドンドン給与をもらってくださいというのが正直が気持ち。企業のインセンティブ設計に注目していきたい。

Happy Investing!!