株主総会が6月に集中する理由
上場企業への投資家にとって毎年5,6月は忙しいです。3月末決算の企業が多い日本では、本決算が5月に発表され、株主総会が6月に開催されるからです。株主総会は決算日から3ヵ月以内に開催することがルールなので、3月末決算→6月下旬の株主総会 となるのです。
2017年はこれまで3社の株主総会に出席
2017年は、今のところ12月決算の会社1社(総会は3月)と、3月決算の会社2社の計3社(総会は6月)の株主総会に出席しました。同じ株主総会と言っても企業によって違いがあり、定性評価のための貴重な情報源だと思っています。
① 日本管理センター@東京国際フォーラム
株主からの活発な質疑応答が印象的。10人以上質問していた。CFOの方は、「ここ数年は株価が伸び悩んでいるが、弊社の株主からは株価についての質問が一切出ないのでありがたい」とコメント。株主総会では、会社説明会で良く顔を見かける個人投資家の方も複数出席しており、事業内容をよく調べ理解している真面目な個人投資家が多い印象を受ける。総会後は立食形式で経営陣との懇親会。経営陣とはろくに話さず、食べ物にむらがる株主(主に高齢者)が多いのは残念だが、直接経営陣の方々とお話しする機会を作ってもらえるのは嬉しいし、オープンな社風を感じます。お土産はなし。
② トランコム@名古屋
ヤマトの業績下方修正からの値上げ要請など、ニュースの多い物流業界の企業。業績は伸び悩んでおり、心配する株主から活発な質問が出ると期待して名古屋まで出かけました。200人以上参加した総会でしたが、なんと質問は3回だけ。そのうち2回は私で、残り1回は、取締役の選任について「みなさんから一言づつ」という質問とは言えない内容。あまりに質問が出ないことに逆に自分が驚いてしまい、質問をしてはいけないかのような場の空気に負けて2回で質問を止めてしまったことが反省点でした。私が2回目に質問している最中には、おじいさん達が周りに聞こえるような声で私語を始める始末で、株主の質が低いと感じざるを得ません。なぜ質問もする気がない株主が大量に出席しているかと言うと、「お土産」がもらえるから。今年はバームクーヘン。多くの株主は、バームクーヘンをもらってさっさと家路に着きたいのでしょうか。それなら、お土産だけもらって参加せずに帰ればいいのに。私は、業績を上げて株価を上げることでリターンを得るという株式投資の王道に興味を持たない株主を集めてしまう、株主優待とお土産が大嫌いです。
③ エイジス@幕張
棚卸サービスを提供する会社。本社が幕張駅から遠い上に、ボロくてビックリしました。取引先だったスーパーが閉店したところを、居抜きで本社にしたとか。徹底したコスト意識を体感できます。そんな会社ですから、もちろん総会のお土産はなし。つまり総会に出席する株主は事業に興味がある人だけです。質問もまともな内容が6問ほどあったでしょうか。帰り道に20年以上も株式を保有しているという株主の方と長話できたことが嬉しかったです。会社の歴史を良く知る方で、勉強になりました。
まとめ
いかがでしょうか?たった3社の株主総会でも、これだけバラエティに富んでいます。是非、株主総会に足を運んでみてください。自分の五感を総動員して、社風や集まっている株主の様子を観察してください。そして、「この人たちと同じ船に乗り続けたいのか?」と自問自答してみてください。数字を超えて企業を生き物として感じられるようになるので、楽しいですよ。
Happy Investing!!