長期業績レポート
9501 東京電力
9502 中部電力
9503 関西電力
9531 東京ガス
9532 大阪ガス
ひとくちメモ
2016年11月にはじめた日経225採用銘柄の長期業績レポートですが、いよいよ今回で最終回です。有終の美を飾ってくれるのは、毎日の生活でお世話になっている、電力とガス会社です。
日本では、電力会社10社が地域独占的に電力を供給するという、世界的にも珍しい(時代遅れな)仕組みを採用し続けています。現状を維持したい電力会社は「電力を安定的に供給するには現行の供給体制維持が不可欠」と当然に主張しますが、ヨーロッパなどでは国境を越えた電力取引も当たり前に行われている現実を見ると、電力会社の主張には首をかしげしまいます。
地域独占ということは電力会社同士は競争する必要がなく、横並びな発想になるのかなと想像します。ふと、東京電力、中部電力、関西電力の配当金額を比べてみると、各社とも年間60円配当を基本にしていることに気が付きました。まさか、配当水準まで横並びなのかと思い、電力会社全10社の配当金額の推移を調べてみて、驚きました。
上の表から分かるように、福島原発以前の日本の電力会社、本当に配当水準まで50円~60円で横並びだったのです!!!!東京電力は2007年3月期、2008年3月期に他社を一歩リードする70円配当、65円配当を行っていますが、「電力業界のリーダーは俺だぜ!」という井の中の蛙の叫びに聞こえます。日本に10社しかない狭い業界で、生活必需品を提供しながらお互い競争もしないというぬるま湯の中で、お互いに顔を見合わせながら配当水準まで一定にしていたことにはショックを受けました。一体何を目指して経営しているのか、理解に苦しみます。
2012年3月期以降は、配当水準にバラつきが出ています。安定配当を維持している3社(中国電力、北陸電力、沖縄電力)とその他です。他の先進国では当たり前の発送電の分離も2020年4月からようやく導入されます。電力会社の横並び体質がどこまで変わるのか、楽しみです。
Happy Investing!!
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