長期業績レポート
9062 日通
9064 ヤマトHD
9202 ANA
9301 三菱倉庫
ひとくちメモ
日経225採用銘柄のうち、物流、空運、倉庫業に分類される4企業の長期業績レポートをまとめました。
各社とも、利益成長に苦しんでいる様子が伝わってきます。例えば日通とヤマトを比較すると、日通は売上成長を多少犠牲にしても利益率を上げてきた一方、ヤマトは売上成長を求めた結果として利益率が犠牲になってしまいました。
理想的な投資先は、売上が伸びることで数量効果が発現し、固定費の伸びを吸収して利益率も上がることです。この好循環に入ると、市場評価も高まるのでPERも高まります。つまり、売上成長率 < 利益成長率 < 株価上昇率 となるのです。こうなる条件の揃った企業を、前職の尊敬するファンドマネージャーは「天国への階段」と呼んでいました。
残念ながら汎用サービスを提供している物流各社は、売上を上げるためには利益が犠牲になり、利益を上げるためには売上が犠牲になるという環境から抜けられていません。つまりEPSが大きく成長することはなく、結果としてPERも切り下がってしまいました。
顧客が物流企業に求めていることは、荷物がA地点からB地点に無事に到着することです。運ぶ人が日通でも、ヤマトでも、佐川でも関係ありません。「これは大事な荷物だから、佐川ではなくヤマトで運ぼう」とは思わないはずです。このような競争優位性の低い事業に投資している限り、なかなか天国への階段を上ることはできなそうです。
Happy Investing!!
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