株の教科書.comに、『脱・株初心者のための「バリュー投資法のススメ」』が掲載されました

バリュー投資を紹介するコラム

『脱・株初心者のための「バリュー投資法のススメ」』

 友人の紹介で、株の教科書.comにバリュー投資を紹介するコラムを執筆する機会を頂きました。ご一読頂けると嬉しいです。

内容

私はバリュー投資には次の3つのアプローチがあると考えています。

① 統計的アプローチ
② 本質価値アプローチ(資産価値)
③ 本質価値アプローチ(収益価値)

今回のコラムでは、それぞれのアプローチを具体例を使って説明することに重点を置きました。

統計的アプローチであれば、実際にどのサイトで低PER/低PBR銘柄のスクリーニングができるのかを書きました。本質価値アプローチであれば、具体的に決算書類から資産価値や収益価値に基づく企業価値を算出する方法を紹介しています。

バリュー投資の全体像の把握にご活用ください。

『脱・株初心者のための「バリュー投資法のススメ」』

Happy Investing!!

 

チャーリー・マンガ―の伝記『DAMN RIGHT!』を読んで

チャーリー・マンガ―の伝記『DAMN RIGHT!』を読みました

チャーリー・マンガ―とは?

チャーリー・マンガ―は、世界最高の投資家の一人として名高いウォーレン・バフェットのパートナーであり、バークシャー・ハサウェイの副会長を務めています。弁護士としてキャリアを始めますが、仕事で知り合った人と組んだ不動産ビジネスで大儲けしたあと、バフェットの執拗な誘いもあり、1962年に投資家に転向します。1975年までヘッジファンドを運用した後、投資先企業の経営からバークシャーの経営へとつながっていきます。

チャーリー・マンガ―についての書籍は少ない

ウォーレン・バフェットが有名すぎるために、チャーリー・マンガ―は相応の注目を集めていないと感じます。実際に、マンガ―について書かれた本は、今回紹介した『DAMN RIGHT!』を含めても英語で実質3冊しかないようです。『Poor Charlie’s Almanack』は英語のみで、和訳されているのは『完全なる投資家の頭の中』一冊のみだと思います。バフェットが長年のパートナーとして認める人物の考え方を知るためにも、是非とも一読をお薦めします。

『DAMN RIGHT!』を読んで

マンガ―の生活は17年間変わっていない

この本は2000年に出版されたもので、1924年生まれのマンガ―は当時76歳でした。それから17年が経ち、マンガ―は現在93歳になりますが、87歳になったバフェットとともに今もバークシャー・ハサウェイを率いています。2000年から現在まで、マンガ―の生活はおそらくほとんど変わっていないという印象を受けます。それほど、習慣に基づいた生活を送っているということに驚きます。

複利効果は人生後半になるほど効いてくる

1962(38歳)140万ドル
1975(51歳)500万ドル
1998(74歳)12億ドル
2017(93歳)15億ドル

マンガ―の個人資産の推移を見ていくと、上のようになっています。特に51歳から74歳の間の増加が大きいことが分かります。日本のサラリーマン的発想からすれば、給料は50代まで上がり、そこから先は出世競争次第ということなのかもしれませんが、投資の世界は違います。全ての経験や知識が累積していく上に、運用資産も増えていきます。いくつかの市場サイクルを経験した50代を過ぎてからが勝負と言っても過言ではありません。

ちなみに、1998年から2017年の資産増加率が低いのは、バークシャー・ハサウェイの株価が上昇しなかったからではなく、マンガ―が株を贈与していることによるもの思われます。

バリュー投資+集中投資の効果

マンガ―のヘッジファンドは14年間で年率20%近い複利リターンを残し、最初の資産を12倍にしました。年率5%であったダウ平均を年率15%も上回る、文字通りの圧勝です。マンガ―は、気に入った企業へ集中投資していましたが、それを支えた投資戦略は、バリュー投資だったそうです。

素晴らしい投資家に相乗りしても素晴らしい成果が得られる

この本で一番印象的だったのは、Otis Boothという方です。マンガ―と不動産開発などを行ったあと、バフェットの評判を聞きます。1963年にバフェットに会ったOtis Boothは、当時の金額で100万ドルをバフェットに投資しました。そして、彼自身はただひたすら待つことで、1998年には10億ドルを超える資産を手にしました。

バフェットやマンガ―がやっていることは難しすぎると感じることもありますが、素晴らしい経営者を見つけて長期投資すれば、素晴らしいリターンが得られるという実例として、Otis Booth氏に感銘を受けました。

Happy Investing!!

 

 

長期業績レポート(日立建機、クボタ)

長期業績レポート

6305 日立建機
6326 クボタ

日経225採用企業の長期業績レポート一覧

メモ

日立建機の経営陣を見ていて、気になることがありました。

日立建機は、有価証券報告書が入手できた2006年3月期以来、『委員会設置会社制度』を利用しています。委員会設置会社とは、指名委員会、監査委員会、報酬委員会という3つの委員会を置く株式会社のことだそうです。ガバナンスの向上を狙っているのでしょうが、果たしてその効果をどのように測定すればいいのでしょうか?

特に、直近7年ほどは、2年ごとに取締役会の会長が代わっています。木川さんを除いて親会社である日立製作所OBが会長に就任していますが、これが果たして望ましい経営体制なのでしょうか?

そもそも、日立製作所は50.23%とギリギリ過半数の株式を保有しているだけです。経営陣を送り込んでくるなど、日立製作所の意向に沿って経営されることが、残り49.77%の株主にとって本当に望ましいことなのでしょうか?2年という短期間で交代してしまう取締役会長に責任が取れるのでしょうか?

まとめ

私は、このような親会社の意向を強く受けている子会社への投資に躊躇してしまいます。それよりも、創業社長や一族が大株主であり、我々少数株主と利害を一致させながら経営していく会社を好ましく思ってしまうのです。

Happy Investing!!