日立の経営危機に社長就任した川村さんが語るラストマン意識
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先日の投稿で、リーマンショック後に日立の構造改革にあたった川村さんを紹介しました。素晴らしい経営者だと感銘を受け、著書『ザ・ラストマン』を読みました。ラストマンとは、「最後に責任を取ろうとする意識のある人」のことです。本書のまえがきより、私の心に響いた言葉を抜粋しました。
ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、会社内に”お仲間”をつくっていても意味がありません。たくさんの人と”話し合い”だけを続けても変化は起きません。外部環境に責任を押しつけても仕方ないでしょう。結局、自分がやるしかないなーそんな感覚で、しかし楽観的に、淡々と実行を続けることこそが重要です。
ラストマン意識が持ちやすいことは投資の魅力
この本を読んで、私は自分がなぜ投資が好きなのかよりよく理解できました。それは、投資がラストマン意識を持ちやすい活動だからです。
投資家は運用判断を下し、運用成績という客観的な結果を受け取ります。そこに主観的評価の入る余地はありませんし、私のような個人投資家の立場では誰を責めることもできません。
「やる気」や「頑張り」は大切だと思いますが、やはり理にかなった投資戦略に従って正しい方向に努力しないと結果は出ないと思います。自分では頑張っているつもりでも、それが正しい方向に向かっているのか自信が持てないときがあります。投資においては、市場が客観的な答えを与えてくれます。年を重ね、なかなか他人が自分の改善点を指摘してくれないようになっても、市場はそんなことお構いなしです。お陰で投資家は、いつまでも謙虚に成長を続けることができます。
前職のキャピタル・グループで、William Hurtという80歳を超える投資家と仕事をする機会に恵まれました。60年以上の運用経験を有する方ですが、子供のように好奇心に満ちたキラキラとした目が印象に残っています。新人に対しても、「お前はどう思うんだ?」と常に学ぼう、対等に話を聞こうとする姿勢を尊敬しています。稀代の投資家、Warren Buffettは86歳になりましたが、「日々成長している」と語っています。自分もそのように歳をとりたいです。
謙虚に、しかし楽観的に、淡々と投資に励んでいきましょう。
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