有価証券報告書とは何か?
有価証券報告書(通称、有報)は、金融商品取引法で1年ごとの作成が義務付けられた企業内容の外部への開示資料です。法的に定められた資料なので、虚偽の記載があれば裁判沙汰になります。会社も気を使って作ってくる一番信頼できる情報源であり、企業分析の基礎となるものです。
3つの入手経路
私が使っている有報の入手経路は次の3つです。
1、会社ウェブサイト
IR情報として、何年分もの有報をダウンロードできるようにしてくれている親切な企業もあれば、全くみあたらない不親切な企業もあります。有報の会社ウェブサイト上での掲載は義務付けられていないのでしょうが、このようなところにも企業の情報開示への姿勢を感じることができます。
2、EDINET
EDINETは金融庁の情報開示システムです。届け出られたすべての書類を閲覧することができます。社名を入力し、有価証券報告書、過去3年分と選択します。問題は、過去3年分しか閲覧できないことです。
3、株主プロ
株主プロは有報データマイニング社が管理するウェブサイトで、上場企業の開示情報をまとめてくれた大変便利なものです。直近の資料が少し抜けているところがあります。古い有報を株主プロで、新しいものを会社ウェブサイトやEDINETで探せば、合わせて10年分の有報が読めます。
何年分の有価証券報告書を読むべきか?
私が企業分析する際には、景気サイクルより長い期間について過去の実績を検証するように心がけています。一般的な景気サイクルが5~8年であることを考え、10年分の有報を読むことを目標にしています。市場の構造変化を理解したい場合には、さらに長期にわたって有報を読む必要があるかもしれませんが、大きな図書館に出向く以外の入手方法が分かりません。