アメリカ株の超長期リターン(1)

すっかりご無沙汰して4年ぶりの投稿になってしまいました。お陰様で元気に過ごしております。

アリゾナ州立大学のHendrik Bessembinder教授が、過去98年のアメリカ株式市場の超長期リターンを調査した論文を発表しています(ファイルリンク)。上位30社は以下の通りです。首位はタバコ会社のAltria。98年間上場していてで260万倍と信じられないような数字ですが、年率にすると16%。単年度ではそこまで高い数字ではないと感じますが、それを98年も続けられることが奇跡。複利効果が最大限に発揮されています。2位のVulcan Materialsは建設資材(砂、瓦礫、アスファルト、コンクリート)を供給する企業。地味な事業ながら、こちらも98年上場して40万倍。年率14%。年率14%と16%の小さく感じる差が、長年蓄積すると6倍以上の差につながってしまう。何でもなさそうな日々の小さな差を軽視していないかと自省してしまいます。

三菱重工が旅客機開発中止

三菱重工が、1960年代に開発されたYS-11以来、初の国産旅客機として開発していたMRJを中止するニュースがありました。機関投資家で機械セクターアナリストとして、丁度MRJ開発を発表した三菱重工を調査したので、感慨深いです。駆け出しアナリストから見ても、旅客機開発はノウハウがないと成功確率が低い難しい事業だとすぐに分かりました。当初計画通りに進む可能性はかなり低いだろうと思っていました。

三菱重工と話して驚いたのは、具体的な予算計画が無いように感じた点でした。社外秘で開示できないというより、投資額、リターン、投資効率などの基本的な数字をそもそも持ち合わせていないように感じました。投資リターンのハードルなくして、投資の可否を決めることはできないはずです。投資リターンではない力が働いているのかな、と不思議に思ったことを思い出しました。

開発中止と聞いて、自分の考えが正しかったことは嬉しいですが、新しい飛行機を見れないことは残念でもあります。6回も計画延長しての開発中止。おそらく、当初から開発中止する撤退ラインを決めていなかったのでしょう。社長交代もある中で、ズルズル損失を出し続け、埋没費用(Sunk Cost)の典型例になった意思決定できなくなったように感じます。コロナ禍で自社はもちろん、お客さんの航空業界に余裕がなくなり、ようやく重い腰を上げて決断したのでしょう。

似た事例として、投資でも、損切ラインや利益確定ラインを事前に決めておくことが大事です。いざ含み損を抱えてから考えようと思っても、既に冷静さを欠いています。日本では戦時中、「負ける場合」を考えるのは精神的に弱くなると避けられたそうですが、不都合なシナリオにこそ具体的な対応策を考えておく必要があると思います。

株価推移は以下の通り。MRJ開発が議論されたであろう2007年の株価、発表された2008年4月の株価に対して、現在の株価は大幅に下回っています。現在の時価総額は約8000億円。総額1兆円とも言われる開発費は、身の丈にあった投資だったのでしょうか?

Go To キャンペーン

10月1日から東京都がGo To キャンペーンに含まれ、話題を聞くことが増えた。私もGo To したいなと思って調べてみたら、楽天トラベルやYahooトラベルなど大手インターネットポータルサイトでは既にGo To キャンペーンが終了していると聞いて驚いた。予算は余っているらしい。どういうことなのか?

からくりは、Go To キャンペーン予算配分方法にあるらしい。過去の旅行手配実績に基づき、旅行会社ごとに国交省が配分したそうだが、その配分ルールや配分実績は非公開。コロナ禍の前からオンライン代理店(楽天、Yahoo、じゃらん)が伸び、対面代理店(JTB)が伸び悩んでいたが、この流れはコロナ禍で一層加速しただろう。JTBの主要顧客層はインターネットを使わない高齢者が多いと想像される。感染リスクの高い高齢者は、今回のGo To キャンペーン参加率が低いだろう。結果として、オンライン代理店は早々に予算を使い切り、JTBなどは予算が余っているという状態になっているようだ。

今後どうなるか?Go To キャンペーンを使いたいから、できればオンライン代理店を使いたい客も、仕方なく対面代理店に行くのだろう。Go To キャンペーンは、対面代理店への延命策・補助金という機能も担っていたようだ。税金を使っている以上、まずは業者ごとの手配実績と予算配分を公開して欲しい。予算配分に偏りがなかったのか?伸びている業者と伸び悩む業者を同列に、昨年実績に応じて対応することがフェアなのだろうか?仮に昨年100億円づつの売上があったとして、成長率の差違が継続する前提では、今年110億円 vs 95億円になっていたかもしれない。

せっかく旅行に行きたいと思っても、予算を残して10日間で終わってしまっては勿体ない。まずは制度の透明性を高めて欲しい。

ワークマン土屋専務のインタビュー

ワークマンの土屋専務のインタビューを聞いて、Audrey Tang氏に続いてデジタル化が効果を生むための前提条件について考えました。どうやら、デジタル化がうまく言っている国や会社は共通点があるようです。

ワークマンの土屋専務は三井物産で情報系子会社社長を務めた後、親戚である創業者の土屋嘉雄氏に招かれ、2012年に入社しました。当時のワークマンは作業着業界で盤石のトップシェアで、データ活用など社内整備はできていたようです。問題は、作業着は成熟市場で、このままでは先細りになりこと。土屋専務は、作業着製造ノウハウを普段着に横展開することで、機能性ウェアを安く提供するワークマンプラス業態を生み出しました。

私の聞いたZoomインタビューは、マイクロソフトの方を司会に、ワークマン土屋専務と、ecbeing林社長が対談する形式でした。印象的だったのは、林社長が回答しているとき、土屋専務がメモを取り続けていることです。このように、経営陣の素顔が垣間見れるようになったのは、ビデオ会議のお陰ですね。さらに、林社長の回答で分からない点があれば、土屋専務はその場で質問をしています。まるで学生のように知識を吸収しようという姿勢に、ワークマンの社風を垣間見た気がしました。このような方が上司であれば、データに裏付けられた施策を提案して、受け入れてもらえる可能性が高いでしょう。

デジタル化によって物事が可視化されたとしても、(1)それがより良い意思決定につながるか、(2)その意思決定に基づいて行動できるか、は別問題です。客観的に見て撤退すべき店舗や事業を辞められるか。これはデジタル化とは関係ない話です。そもそも合理的な議論ができる環境なのかどうかによってデジタル化の効果は大きく変わるでしょう。結局、ITは技術に過ぎません。それ自体は、良いものでも悪いものでもない。活用できる企業とそうでない企業の差はますます開いていくなと確信に変わってきました。デジタル活用できる社風に後から変えるのは並大抵のことではないでしょう。そのような社風を持つワークマンやニトリのような会社の競争優位性は、さらに高まったと感じます。

 

台湾のデジタル大臣Audrey Tang氏

コロナ対策の成功例として語られる台湾。人口2400万に対して、コロナ感染者は約500人、死者10人以下だそうだ(データ)。日本は欧米と比べてうまくやっていると言うものの、感染者は8万人を超えている(データ)。台湾から学ぶことが多いのは間違いない。

台湾のコロナ対策の成功を語る時に、必ずデジタル大臣のAudrey Tang氏の名前が出てくる(wikipedia)。1981年生まれで、2016年よりデジタル大臣を務めている。肉体的には男性だが、精神的には女性というTang氏のインタビューを聞く機会に恵まれた。

まず、説明が具体的で分かりやすい。威張ったところが全くなく、まるで友達に説明されているかのような印象を受ける。上下関係が強い行政世界の中に、デジタル的な水平関係を持ち込むことが役目なのだろう。これまで国民が情報発信する行政プロセスは4年に1回の投票行動だけだったが、スマホ社会においては、多種多様な行動データを行政プロセスに生かすことができるという。デジタルによってさらに民主主義が進化する。投票という民主プロセスしか経験のない自分としては、目から鱗の感覚だった。明るい将来を示してくれるリーダーとは、こういう人のことを言うのだろう。

台湾では、1月1日から武漢からのフライトで検疫。感染症対策本部による毎日の会見を始めたそうだ。フリーダイヤル「1922」にかければ、誰でもアイディアを出せるという。ある日、マスク不足から小学生が、「ピンクのマスクしかなくて学校でいじめられないか心配です」と投書したら、翌日の会見では、感染症対策本部の幹部が全員ピンクのマスクをして登場したそうだ。IT技術を使って、政治をより身近にするのは、心がけ次第なんだなと再認識した。技術そのものに良いも悪いもなく、使う人次第。

想像するに、台湾は政治家と国民の間に信頼関係があるのだろう。その感覚が、羨ましかった。日本の自民党幹部の多くは具体的な話が少なく、何を言っているのかよく分からない。「俺たちが決めてやる」という上から目線が感じられ、デジタル時代特有のフラットさがない。その挙句、都合が悪くなると情報を隠したり、さらに悪いことには改ざんしてしまう。政治と国民の信頼作りから始めないことには、デジタル庁を作っても、仕組みを作ってもなかなかうまくいかないのではないか。作り手を信頼できないシステムに、大事な情報を預けようとは思わないだろう。

日本でデジタルが進まない理由が、ようやく少し分かった気がする。政治に限らず、多くの場面でデータをやり取りするための基盤である信頼関係ができていないのだろう。投資目線でも、顧客、会社、従業員の間に信頼関係があるからデータ利活用が進み、IT技術の恩恵を活かせる企業と、そうでない企業の差が歴然としてきた。国レベルでも同じ話のようだ。

記録を残す

私の大好きなニュースメディア、ビデオニュースを見ながら感じたこと。(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1017/)

トランプさんのCOVID感染がニュースになっていますが、医師の署名が入った正式な診断書が公開されていたとは知りませんでした。一方、病気を理由に総理大臣という要職を突然辞めた安倍さん。結局、診断書を公開することも、医師からのコメントもありませんでした。

安倍さんは日経新聞のインタビューで、「新しく使い始めた薬が非常に良く効いて、順調に快復している」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64309070Y0A920C2SHA000/)などと呑気なことを言っているようですが、本当に病気だったのか?どのような病気だったのか?執務が続けられないほどの病状だったのか?など、分からないことだらけです。情報公開の遅れた日本のことですから、今後も本当のことが分かることはないのだろうと思ってしまう自分が情けないです。

記録隠蔽や改ざんなど、情報公開という面では目を覆いたくなるような安倍政権。おかしいなとは感じていましたが、診断書を出してくるトランプ政権と比べて、またその思いを強くしました。我が身を振り返り、投資や意思決定のプロセスを書面で残しているのだろうかと自問自答しました。文書で残していないと、記憶はあやふやなもので客観的な振り返りはできません。より良い判断をしていくために、詳細な記録を残していこうと改めて思いました。

安倍首相退任について

安倍首相が退任することになりました。昨日、菅さんが次期自民党総裁に選ばれました。個人投資家のブログやツイッターを拝見していると、「アベノミクスのお陰で資産が増えた。ありがとう。」という趣旨のコメントを多く見ました。私が2014年から個人投資家を続けられてきたのも、もしかしたらアベノミクスのお陰だったのかもしれません。

しかし、私はアベノミクス礼賛一辺倒に見えてしまうことに気持ち悪さを感じています。アベノミクスには「金融緩和、財政出動、構造改革」の三本の矢があるはずでした。振り返ってみると、構造改革は進まず、財政出動は以前の政権もやっている流れを引き継いだか、消費税を上げただけ財政出動は控えめだったとも言えます。結局、個人投資家が感謝しているアベノミクスとは金融緩和だったのだと思います。日銀総裁を黒田さんに変え、マイナス金利にして、株式まで購入しています。日本の国債の50%(1000兆円中の500兆円)、東証1部の5%(600兆円中の30兆円)を日銀が保有していて、これは日に日に悪化しています。金融緩和自体は何も価値を生みません。将来の生産性の前借であり、ここまで金融緩和に踏み込んでしまうと、出口は全く見えません。誰が日銀総裁になろうとも、現状路線の維持以外に選択肢はないのではないでしょうか?

安倍首相は、将来から精一杯前借しながら、構造改革という稼ぐ力を上げる取り組みはしなかったように思います。結果として、日本の将来負担は増えてしまい、何より中央銀行の政策オプションがなくなったことが心配です。海外投資家が、株高をもたらしたアベノミクスありがとうと感謝するなら分かりますが、日本に生活基盤を置く個人投資家がなぜ喜ぶのか良く分かりません。私は、自分が儲かるかどうかよりまず、国力を上げて生活基盤を厚くして欲しい。株式投資という楽しいゲームを末永く楽しむためにも、安定した生活基盤が優先です。一部投資家は儲かったけど、日本中が荒廃しました、という状態が望ましいとは全く思えないんです。

安倍さんに関していえば、病状すら本当かと疑っています。会社員がインフルエンザで休むとき、診断書が必要です。安倍さんは首相という重職を辞めるのですから、当然国民に対して診断書の提出が必要だと思います。本当は病気で辞めるわけではないから、診断書を書いてもらえないという可能性もあります。「安倍さんが病気で退任」とニュースになった途端に支持率が上がり、「お疲れさまでした」ムードになってしまうことが残念です。首相という権限に見合った説明責任を果たすように求めます。

トランプさんが大統領選になった後、2017年にBerkshire Hathawayの年次総会に参加しました。長年の株主という高齢男性に、「米国株はトランプさんが減税したお陰で好調だね」と水を向けると、「政府債務が増えて先行きが心配だ」との返事。長期投資は政権の寿命を超えた時間軸で行われるのですから、短期的な人気取り政策に苦言を呈していた姿に、本物の長期投資家を見た気がしました。経済において、フリーランチは存在しません。楽をすれば、必ず副作用が出てしまいます。

会員制スキー場

週末に、Devil’s Glenというスキー場に行ってきた。トロントから北に車で1.5時間のこのスキー場、なんと会員制だそうだ。ゴルフ場の会員権と同じく、会員か、会員の紹介を受けた人でないと利用できない。聞いた話では、会員制スキー場は、世界でもトロント北部にしか存在しないとか。スキー場によって会費はピンキリだが、入会金100万円+年会費100万円はくだらないそうだ。会員が何人いるのか分からないが、リフト5本+素敵なメインロッジのあるスキー場を会員だけで維持できるというのは、どういうことなのだろう。1000家族として、10億円の運営費と考えれば良いだろうか?

多民族都市トロントだが、スキー場は白人中心。特に会員制スキー場となると、さらに白人比率が高い。そして、Devil’s Glenはみなさんスキーが上手いこと。ほぼ全員スキーで、ボーゲンしている人が全くいない。。。パラレルはもちろん、ほぼ全員カービングできます、というような不思議な場所だった。4時以降はapre skiとロッジでお酒と社交を楽しむ。欧米のスキー文化とはこういうことなんだなと体感したが、日本のように温泉があればなおよい。

 

コロナウィルス致死率の計算方法

コロナウィルスのことが気になって仕方がない。目下、最大のリスク要因だと思っている。私は、貿易量の増大、人的交流の拡大など、グローバル化は良いことだと思ってきた。例えば日中間で政治的対立が続こうとも、互いにサプライチェーンに依存する経済構造になっていれば、自分に跳ね返ってくるような相手を苦しめる政策はとりづらいだろうと思ってきた。相互依存が高まることが、最大の安全保障になると思ってきた。ところが、人的交流が活発故にウィルスの拡散も世界規模になってしまうとは、とんだ盲点だった。

Guggenheim InestmentsのCIO, Scott Minerdさんが書いたブログ投稿を紹介したい(リンク)。彼は、コロナウィルスのリスクが過小評価されていると主張していて、特に致死率の計算方法がおかしいと指摘している。多くのメディアでは、感染者6万人に対して、死者1400人であれば、1400 / 60000 = 2.3%で低いから、過度に心配しないように、という風潮だ。しかし、Scottさんが指摘するように、6万人を母数とすることは間違っている。6万人の中には、これから死亡するかもしれない人と、これから治癒すかもしれない人が含まれているからだ。正確な致死率を計算するなら、死亡した人 / (死亡した人+治癒した人)とするべきだ。

世界中の感染者数をチェックするのに便利なサイトはこちら。以下のテーブルに2月17日時点の情報をまとめてみた。すると、一般的に聞く致死率は、2.5%、上で説明した本当の致死率は14%ということになる。2.5%と14%では、死亡者の多くが高齢者だとは言え、リスクが全く変わってくる。

コロナウィルスと危機管理

日本のメディアを見ると、コロナウィルスのニュースが増えて来たと感じる。和歌山県の医師など、感染経路の分からない患者が出ていることは、危険な状態なのではないか。今回の日本政府の対応を見ていると、日本は危機管理が苦手だと感じる。日本人が気質として苦手なのかは良く分からないが、2011年の東日本大震災からの原発事故の記憶がよみがえる。

原発事故のとき、最悪のケースでは東京圏にまで放射性物質が降り注ぐ可能性があった。SPEEDAなど、情報を隠す政府。市民の不安を煽りたくないからという理由だったのかもしれないが、明らかに不安になるべき状況なのだから、そんな配慮は逆に迷惑だと思う。東京在住の外国人の友人は、原発事故の一報のあった次の日の始発の新幹線で大阪に避難していた。友人は、東京を脱出する人で新幹線に乗れないことを心配していたそうだが、実際にはガラガラで驚いたらしい。その翌日には、韓国に避難していた。確率が低いかもしれないが、起これば致命的なダメージを受ける可能性がある場合、ひとまず逃げることが正しい選択だと思う。まず過剰と思われても安全を確保してから、次の一手を考える方が良いと思う。

今回のコロナウィルス。致死率が低いようだが、正直良く分かっていない。最悪のケースは、実際には致死率が高く、日本国内で蔓延してしまうこと。まさに、確率は低いかもしれないが、起これば致命的なダメージを受けてしまう。期待値を計算している場合ではなく、まず厳しめの対応をとるべきだと思う。日本政府は武漢から日本人を帰国させる飛行機の手配が諸外国に比べて早かったが、帰国した人を隔離しなかったことに驚いた。検査も拒否して自宅に帰った人もいたと報じられていたが、むしろ国内に感染を広げてしまっているだけなのではないか。カナダでは、アメリカと同様にチャーター便は出すが、帰国者は2週間の潜伏期間の間、基地で隔離生活だ。アメリカやオーストラリアは早くから中国からの入国者を拒否した。確率は良く分からないが、起こると致命的なダメージを受けるかもしれない事態に際して、まず厳しめに対応するということが出来ている国と、出来ない国。この違いはどこから来るのだろう。

クルーズ船にしても、健康な乗員乗客まで感染者と缶詰にして感染を広げてしまった後に、下船させますと。。。いや、余計に感染を広げてしまっただけなのでは?台湾政府は、感染経路の見えない日本への渡航に「注意」を喚起している(リンク)。台湾としては当然の対応だろう。対応の初動が遅れてしまったために、今後他国からも日本に対して渡航禁止令が出るかもしれない。日本は列車ダイヤなど平常時運転が大の得意だが、その反動として、こうした非常事態の危機管理が苦手だということなのだろうか。大事になりませんように。

追記:内閣官房のHPには、次のような文章があった。「我が国において、現在、流行が認められている状況ではありません」とあるが、感染経路が分からない患者がいるのだから、流行しているのではないか?政府が本当のことを言っていないという疑心暗鬼が、不安を増幅する。さらに、流行が認められる状況になってから止める方がよほど困難なのだから、流行する前にできる限りのことをした方がよいと思うのだが。